「子供を育てたこともないくせに」両親からのクレームで保育士を辞めたい時の対処法

小さな頃から憧れていた保育士の仕事に就けて、嬉しさいっぱいの1年目の春。
しかし次の春からは、また1年が始まるのか・・・今年こそ辞めてやる・・・と、と~っても重い気持ちで迎え、ついに結婚を理由に見事寿退職!!

これで保育業界とおさらばするはずでしたが、やっぱり子どもが大好きで、その後も派遣保育士として働いています(笑)
なぜ退職を決めたのか、それなのになぜ今も保育士として働いているのか・・・

今、辞めたくて辞めたくて仕方がない、特に新人といわれる経験年数が少ない保育士のみなさんに、読んでいただけたらと思います。

あれ?いきなり新学期??

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私の就職した園では、数日の研修(それも社会人としてのマナーというようなもの)しかなく、4月1日から勤務開始、10日後には子どもたちが登園してきました。

そのため1日の流れや保育の仕方も全く分からず、学校で学んだ知識のみからのスタートでした。そんな状態なのに、隣のクラスの主任も、園長さえも私の保育室に来ることさえほとんどありませんでした。

他の先生に聞きたくても皆バタバタしていて聞きにくかったので、ひたすら隣のクラスの様子を見よう見まねです。コップやタオルかけの置き場所など、子どもたちに聞いて教えてもらうことも多かったです。

クラスの子どもたちに申し訳ない

1学年2クラスで、1年目の私は主任の先生とペアでした。なので主任の先生が季節の制作物を決めてくれたり、全体保育もしたりしてリードしてくれました。

でも当然各クラスの保育もあります。同じものを作らせたはずなのに、隣のクラスの作品の方が子どもの個性が光っていたり、主任の先生の保育では楽しそうにしていた子どもたちの顔が、私の保育になった瞬間、退屈そうな表情に変わっていったり。

しばらくはこの先生とのペアが続いたので、私はずっと劣等感でいっぱいでした。

子どもは保育のバロメーターです。私の保育の未熟さを子どもの表情・態度からひしひしと感じ、毎日の保育が苦痛でしかなくなり、何より子どもたちに申し訳なく思う毎日でした。

子どもを育てたこともないくせに

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ある日、クラスのAちゃんの保護者がご夫婦そろって、ものすごい剣幕で来園されました。「うちの子があなたに暴言を吐かれたと言っている。怖いから登園したくないと言っているし、私たちも登園させる気はありません」と。

担任したクラスは活発な男の子が多いクラスで、その子たちには大きな声で注意することもしばしばあったのですが、Aちゃんに対して怒ったことは一度もありませんでした。

Aちゃんは発達がゆっくりだったので、他の子よりも気にかけていたし、その子のための配慮を考えることも多かったのです。しかしどうしても他の子よりも時間がかかったり、できなかったりすることも多く、本人もそれを感じている様子もあったので、保護者にもAちゃんの様子を気をつけて伝えていました。

その矢先の出来事で、とにかくショックでした。ありもしないことで批判され、今まで築いてきたと思っていた信頼関係が築けていなかったと分かり・・・

その面談には園長も同伴していたのですが、私の保育室にほとんど来たことがないので、私をうまくかばうこともできず言われ放題、「あんたは子どもを育てたことがないから分からないんだ!前の担任の先生に戻してくれ!」とも言われました。

もう私は悔しさで涙しか出ず、それからしばらくは泣きながら出勤していました。

子どもの笑顔だけじゃやっていけない

“子どもの笑顔が何よりのやりがい”だというけれど、当時の私はもうそれどころではありませんでした。

何も手当はつかないのに12時間労働は当たり前、帰ってから次の日の保育案を書き、気づいたら寝てしまっている毎日。その上、例の事件で“私は私なりに頑張ろう”と踏ん張っていた私の心は粉々に砕かれました。

子どもと一生懸命かかわろうとしても何も伝わらない、意味がない。誰も教えてくれないし味方をしてくれない。ベテランでも子育て経験もない私は無力だ・・・

そう思っていたタイミングで当時付き合っていた彼からプロポーズをされたので、寿退職を決めたのでした。

あと1年

正式に結婚が決まったのが6月だったので、園に寿退職の意思を伝えた上で年度末まで働くことにしました。

このタイミングで園長が変わり、ペアも年が近い先生に変わりました。私の気持ちもゴールが設定された分、“ラスト1年、好きなようにやろう!”と吹っ切れたように感じます。

新しい園長先生は、すごく厳しい方でした。こまめに保育を見に来て、たくさんダメ出しされました。でもその分良かったところも褒めてくれ、どんなに忙しくても、子どもたちのことを一緒に考えてくれました。

ペアの先生と年が近い分、一緒に話し合って保育を進めたり、悩みを共有したりすることもできました。

この年は、いろんな意味で今までで一番個性が強い子どもが集まったクラスでしたが、不思議とその個性一つ一つが愛らしく感じました。毎日泣いて登園してきても、給食を食べなくても、じっとできなくても、可愛いのです。

試行錯誤しながら、いろんな配慮を考えその子たちと向き合えました。保護者とも笑って話ができるようになり、いろんな相談をしてくれるようになりました。

“辞めたくない”まま退職できた理由

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あれほど辞めたかったのに、最後に私は辞めたくない・・・と涙を流していました。(彼の勤務地上、どうしても辞めなければならない状況でした)

「来年も先生がよかったのに」と涙を流してくれる子どもや保護者もいました。本当に最高の1年を過ごすことができたと思います。

それはなぜなのか。きっとこの2つが大きく関係しています。

環境の変化

しっかりと指導をしてくれる園長との出会い・・・

私は私の色があるという自信、分からないときは頼れるという安心感へつながりました。

年の近い先生とのペア・・・

自分たちで保育を考えてく楽しさややりがい、悩みを共有できるため、精神的負担が減りました。

自分の気持ちのあり方の変化

保育士の気持ちは態度に現れる、それは必ず子どもや保護者に伝わるといった、ポジティブな気持ちを持ち働くことができました。

辞めたくて仕方がなかった頃の私は、自信がなくていつしか楽しさもなくして、それが子どもたちに伝わって、保護者に伝わって・・・きっと悪循環だったと思います。環境の変化も大きいですが、自分の気持ちのあり方の違いが大きかったと思います。

この年の初めは、保育業界から離れる気マンマンだったのに、人生どうなるか分かりませんね。

今になって思うこと

保育士も人間なのだから、得意なことがあれば、苦手なこともあります。だから、いろんな保育士がいるはずです。何十年のキャリアをもつ保育士と、キャリアのない自分を比べるのは、そもそも間違っていたと思います。

いろんな思いに押しつぶされていた新人時代の私に、またあの時の私と同じような思いをしている保育士さんに何か言ってあげることができるなら・・・

保育が上手くなくとも、とにかく自分が楽しもう!!

保育士が楽しいと子どもも楽しい!笑顔の子どもを見ると保護者も嬉しい!

若いのは新人の特権!その分子どもとの距離が近いのです

外で思いっきり鬼ごっこ、ベテランの保育士さんには難しい・・・(笑)

学びに貪欲であれ

新人だもの、保育の引き出しがないのは当たり前。その分先輩の保育士の保育を見て盗むのです。
分からないことは聞く、受けた指導は明日の保育に活かす!

楽しくなるのは数年後

行事など一年のリズムを何度か経験するまでは、一つ一つが必死でしんどいです。きっとみんな一緒です。しばらくするとこうしたい、と思えるようになります。

環境を変える

しばらく頑張ってみてもどうしようもないときは、いったん保育業界を離れたり、園を変えたりするのも一つの方法。

今、私は家庭を優先したい思いから、派遣会社をとおして保育園で時短勤務をしています。

新居に引っ越してから事務や飲食店などいろいろな仕事も考えはしましたが、たどり着いた先は保育士でした。やっぱり、子どもの笑顔は何よりのやりがいです。

あの時の私のように苦しんでいる保育士さんが、いつか胸を張って“子どもの笑顔がやりがいだ”と言える日が来ますように・・・☆

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